第26話
「逃げても行くところなんてなくて、結局は清水さんの元に戻るしかなくて。戻ってからはあまり家にいる時間を少なくしたりして何とか頑張ってたの」
「一人暮らしをするようになったのは高校に入ってから。律と出会う少し前辺りだね。中2の時の出来事からは何も無かったんだ。でも、一人暮らしを許す条件として"月に1度は会いに来ること"って言われた」
「だから、月に1度会いに行くんだね」
「せっかく一人暮らしして清水さんの元から離れたのに月に1度会わなくちゃいけない。でもね、むしろ1回で良かったのかもしれないって今は思うの。毎日って言われたら私は多分だめになってたから」
「月に1回になってから始まったの。あの行為が。最後まではいつもしないけどいつも耐えるだけのあの恐怖に染る1日が」
嫌われる覚悟で次の言葉を言う。
「律…私ね、汚れてるの。好きでもない人に汚されてこんな自分が嫌になって、こんな身体で律の、あなたの隣にいたいと思う自分が嫌なの」
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