第9話
《凪side》
律と過ごす毎日はとても楽しくてすごく輝いて見えた。たぶん一目惚れ、なんだと思う。助けてくれたあの時から私は律のことを好きになった。でも私なんかが好きになっていい人じゃない。
私は汚れてるし律には言えないことも沢山してる。好きでしてる訳じゃないけどしなきゃいけないから。それに律はいつかはここを去る人。そんな人を好きになってしまったら辛いだけじゃない。
大切な人はもう失いたくない。大切な人を作ってまた私の前からいなくなったら?その時私はどうなるの?だったら最初から作らなければいい。でも私には出来ないから、律のことを好きになってしまったんだ。
この気持ちは伝えない。私の中で消えていくの。だって私は律の隣に立てるほど綺麗じゃないもの。私は清水さんのものだから、彼には逆らえないから。彼には返しきれないものがあるの。だから今日も会いに行く。
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