第6話

「あー、住んでるとこないんだわ。ちょっと今家出って言うのかな、そんな感じのことやってるからお礼は本当にいいよ」



これで引いてくれるとありがたい。数分黙った彼女が発した言葉は予想外のものだった。



「では、私と一緒に住みませんか?1人暮らしで部屋も余ってます。家事も出来ます、あまり上手ではありませんが料理も。あなたの気が済むまで居てくれて構いません。これを私なりのお礼として受け取ってはくれませんか?」



彼女は見ず知らずの、1回助けただけの男に家を提供すると言ったのだ。しかも一人暮しとまぁ、危険な情報をサラッといいやがった。



正直に言うと住む場所を提供してくれるのはとてもありがたい。持ってる金もいつ尽きるか分からないし、いつ追っ手が来るかも分からない。ここで断っても彼女はめげないだろう。



男と一緒に住むということを分かってるのか分からないけど彼女の言葉に甘えさせて頂こうと思う。彼女の容姿はこの暗闇でもとても目立つ。整った顔立ち、スタイルもいい方だろう。また今回のようなことがないように住む場所を提供してくれるお返しに俺がボディガードをしよう。



そう決めて彼女の言葉に甘えさせていただくと言うと、彼女は笑顔で「はい!受け取って下さりありがとうございます!」と言った。

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