同居

第5話

「家まで送ってあげたいけど知らない男には送られたくはないだろうから気をつけて帰ってね」



そう言って足を動かそうとしたら後ろから声がかかる。



「あの!お礼をさせて下さい!今は何も無いけど、あなたの都合がいいときでいいので!」



お礼がしたい言われてしまった。律儀な子だなぁ。でも俺はこの街の人間じゃないから気持ちだけ貰っておくことにする。



「俺はこの街の人間じゃないから気持ちだけ貰っておくね。ありがとう」



今度こそ彼女に手を振ってこの場を去ろうとするけど彼女はめげなかった。



「…待って!どこの街に住んでますか!あなたの街まで行きます!」



おいおいまじかよ…。もうこれ正直に話した方がいい気がする。そうしないと納得してくれなさそうだ。もう彼女と会うことは無いだろうし、話しても大丈夫だろう。

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