第2話

どのくらいあの場所から離れただろうか。比較的家は金持ちな方だから金はある。手持ちの金でできるだけあの場所から離れる。




あそこは"監獄"だ。羽はあるのに自由に空を飛べない鳥。鳥籠の中で一生過ごす鳥。息が詰まる。




夜の街を歩く。誰もが寝静まった夜。追っては来てないだろうからゆっくり歩く。普段こんな時間に外に出ることはないから全てが新鮮だ。




俺が住んでいた街よりだいぶ遠くに来たみたいだ。俺の逃避行も頑張って1年くらいか、もしかしたらそれ以下かもしれない。限られた時間でやりたいことをやりきる。そのために俺は抜け出した。




朝になれば俺が居ないことに気づくだろう。それでもいい。今は、今だけは自由でいたい。そんな思いを抱えながらこれからどうしようか悩む。金ならある。親の金だけど、この逃避行が終われば自分のものだ。好きに使わせてもらう。

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