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翌春――
俺は、新たな地へと降り立った。
初めての場所。
キミがいる場所。
俺の努力は実り、見事第一志望に合格した。
見事、大学生になった俺。
18歳の俺。
まだ、18歳。
『大人になったら』とキミは言った。
‘大人’はいつから?
20歳になったら?
それとも、就職して立派に社会人になったらだろうか?
あと4年も待てと?
俺が22歳になった時じゃ、美波は28歳じゃんか。
それまで待っててくれる?
美波は、あの時『待ってる』とは言わなかった。
『お互いフリーだったら』
そんなに待たせたら、その可能性は確実に低くなる。
だから、俺は自分の中で‘ハタチ’になったら、と決めた。
二十歳になったら会いに行こう。
そう、思ってたけど――
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