6時間目
もうそろそろ限界だから
P.51
見事、美波と同じ高校に合格できた俺は、まぁ真面目に高校に通った。
無遅刻無欠席。
とまでは言えなかったけれど、遅刻も欠席も数えられるほど。
遅刻・無断欠席常習犯だった俺にしては大したもの。
勉強もそれなりにやった。
中学と同じ失敗は繰り返さない。
恋もそれなりにした。
それなりに遊んだりもした。
こんなこと言ったら、チャラいとか言われそうだったけど、そのために美波は猶予をくれたんだから。
俺に『高校生時代にしかできない恋をしろ』と、『青春しろ』と言ったのは美波だから。
それに、俺も美波への気持ちが本当か確かめたかった。
そして、その結果は明らか。
真剣に付き合おうとしても、やっぱり一番に浮かぶのは君の顔で、それ以上に想える人なんていなかった。
あの後、美波と会ったのはたった一度だけ。
高校生になった俺は、中学みたいにふらふらしていたわけじゃないけれど、入りたい部活もなく、所謂、帰宅部。
そんな俺には暇なんていくらでもあったけれど、大学4年生になった美波は実習とか卒業研究とか就活とかで忙しいらしく、なかなか会えなかった。
そして、美波が就職したら、余計会えなくなった。
大学は実家から出て、一人暮らししていたらしい美波は、就職は地元にしたらしい。
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