それが君のやさしさ

P.48

普通に2人でファミレスに行って、普通に食べて、普通にお喋りをした。



ファミレスを出ると、空はオレンジ色に染まっていた。


日が暮れる。

もうすぐ1日が終わる。


そして、この時間も終わりが迫る。



ファミレスを出て、2人で歩いた。


その間、2人とも黙ったままだった。


それは自然で、気まずいとは思わなかった。



緩い坂を上って行けば、目の前に真っ赤な綺麗な夕日が現れた。


それを見て、自然と足が止まる。


綺麗な夕日に、熱いものが込み上げてくる。


そして、ずっと押さえてきた感情も溢れ出る。



「美波…好きだよ」


まっすぐ夕日を見つめたまま、堪えきれない想いが口からポツリこぼれる。



「やっぱり俺、美波が好き。本当に、本気で好きなんだ」



この気持ちに偽りはない。


その気持ちはずっとずっと変わらずで、想いはつのるばかり。


何度諦めようとしてもダメだった。



今までこんなに想ったことはなかった。


恋がこんなに苦しいものだなんて知らなかった。


どんなに苦しくても、もう嫌だと思っても、諦められない。それが本当の恋。



まだ中学生なのに、と言われそうだけど、中学生にだって本当の恋は出来るでしょ?



君を想う気持ちは本物だから。

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