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「あったよ!!咲也くん、あった!!!」
それは、俺が見つけたのとほぼ同時。
「うん、あった。美波、俺受かったよ!」
「うん!!おめでとう!!咲也くん!!」
自分のことのように嬉しそうに笑う美波。
受かった。美波と同じ高校に。
美波がいた、高校に。
これで少しは美波に近付けただろうか。
「他の子も受かったかな?」
そう言って、キョロキョロとあたりを見渡し出す、美波。
「あっ」
俺は、そんな美波の手を引っ張った。
「いいよ、他のやつのは」
「え、でも…」
「俺、お腹すいた。なんか食べ行こうよ」
戸惑う美波にそう言って、ぐいぐい引っ張っていく。
だって、こうでもしないと優しい美波は『みんなでお祝いしよう』ってなるだろ?
今日だけは、一人占めさせてよ。
今日は特別な日だから。
「あ、ちょっと待ってよー」
「お祝いしてくれんでしょ?」
「もーしょうがないなー。今日は特別だからね?」
そう言ってニコッと笑うから、俺の心臓は、結果発表よりも何倍もドックンドックンと暴れまくった。
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