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合格者の番号が張り出された紙の掲示板の前に立ち、拳にギュッと力を入れる。
心臓がバックンバックンうるさく拍動する。
隣にいる美波に聞こえてしまうんじゃないかってほど。
そう思って隣に目を向ければ、顔の近くで手を組み、目をギュッと瞑ってお祈りするような格好をしている美波。
自分の合格発表じゃないのに、自分のことのように緊張して、自分のことのように願ってくれる美波。
そんな彼女の姿を見たら、フッと小さく笑えてきて、自然に方の力が抜けた。
「美波」
そう名前を呼べば、ギュッと瞑ってた瞼を開けてパッと俺に顔を向けて、キョトンとした顔をする。
「手、貸して?」
そう言って、手を差し出せば、
「うん」
そうふわりと笑って、手を出してくれた。
その小さな手をギュッと握る。
ドキドキしながら、ずらりと並ぶ数字に目を向ける。
自分の数字がありそうな辺りを見つけ、上から順に視線を降ろしていく。
「あ、」
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