5時間目

暴れまくる心臓

P.44

高校は美波と同じところにした。


無謀なのはわかってたけど、少しでも近づきたかった。


そんなことで近づけるわけじゃないのもわかってたけど、そこ以外に行く気はなかった。



俺の今の学力で行くのは無理。


だけど、推薦はもっと無理。


初めて自分が好き勝手にやってきたことに後悔した。



でも、後悔したってもう遅い。



だから、頑張るしかなかった。


志望校は変えられないから。


絶対にそこに行きたいから。



誰もが無理だと言った。



でも、俺は諦めなかった。


諦めるわけにはいかなかった。



それに、さらに頑張って勉強し始めた俺に、美波が「頑張れ」と言ってくれたから、頑張ろうと思った。



俺の成績は確実に伸びていった。


前に、美波に‘やる時はやる男’だと言ったけど、それはあながち間違いでもない。


特に勉強に関しては。



ぶっちゃけ、やれば出来る子なのよ、俺。


今はこんなんだけど、小学生の時はわざわざ電車に乗って塾に行ってたくらいで、もとはいいんだよね。



中学に入ってから今までまともに勉強してなかったから、さっぱりだったけど、やってみたらだんだんわかるようになってきて、意外と面白くなってきたりしたりして。




そんな俺はぐんぐん成績が上がり、無理だと言われていた志望校も、受験前にはB判定が出るほどに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る