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模試の結果は、見事‘B判定'。
まぁ、ギリギリだったけど、‘B判定'には違いない。
土曜日――
早く見せたい衝動にかられるけれど、なんとか押えて、ポーカーフェイスする俺。
なんか自分から言うのは、テストで100点とった時の小学生みたいでカッコ悪いと思ったから。
だけど、美波が言ってくれるのを待っている俺は、やっぱりガキかもしれない。
なかなか言い出さない美波に、もう我慢できなくなってきている。
「あ、咲也くん…模試どうだった?」
ちょっと聞きづらそうに言う美波。
「ん?あー、‘B判定'だけど?」
やっと聞いてもらえて、叫びたい衝動にかられるほど嬉しかったけど、必死に抑えてなんてことないようにしれっと答えた。
そして、ちゃっかり持ってきている模試の結果を、必死に余裕ぶりながら見せる。
「え、嘘、すごーい!!ホントだ」
「だから言ったでしょ?俺はやる時はやる男だって」
「あはは、そうだね。でも、本当にすごいね」
ニッと笑って得意気に言う俺に、美波は笑ないながらも喜んでくれた。
「約束、覚えてる?」
「あ、うん。ちゃんと覚えてるよ。お願いって何?」
「んー、じゃぁ……
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