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「連絡先、教えてよ」



そう軽いノリで言った俺の心臓は、暴れまくる。



なんとか声が震えるのは避けられたけど、かっこよくちゃんとポーカーフェイスだったかは、必死過ぎてわからない。



「あー、んー、そうゆーことすると沼田先生に怒られちゃうんだけどな…」



そう言いながら、美波は手帳を取り出すと、紙に何かを書き出した。



そして、


「内緒だからね」


と人指し指を口の前に立てて、悪戯っぽく笑う彼女。



それに思わず、


「よっしゃっ!!」


と声をあげてガッツポーズした俺を見て、クスクスと笑っていたから、もしかして騙されてるのかと思ったけれど、


『連絡くれてありがとう』と電話越しに聞こえた声は、本物だった。



「よかった」


思わず口から安堵の言葉がこぼれた。



『え?』


「いや、なんでもない」


『お願い、こんなんでよかったの?もっとあれ買えとか、なんか奢れとか言われるかと思った』


「あー、うん、これでよかった」



ううん、これがよかった。


あの時は教えてもらえなかったから。



土曜補講以外の時間にも君とつながっていられるなんて嬉しくて、


他愛のない話をしただけなのに、俺のテンションは最高潮で、


やっぱり頑張ったらいいことあるんだと思った。

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