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中学生の俺が出来ることなんて、限られている。
でも、今、俺がしなくちゃいけないことは、きっとこれなのだろう。
それは、当たり前のこと。
だけど、大切で、
なのに、ずっと逃げていたもの。
それは――…
学生の本望であるはずの‘勉強’。
そして、その先にあるのは、高校受験。
そして、合格すること。
今、就職したって、美波には近づけない。
6歳下なら、美波の後を追うしかないんだ。
今の俺には、これしか出来ない。
それが正解かなんてわからないけど、なにかやってみないと。
なにか頑張ってみないと、俺の願いはきっと叶わないから。
とりあえず、頑張ってみようと思うんだ。
入れればどこでもいいと思ってい志望校を変えた。
それから、学校には毎日ちゃんと行くようにした。
遅刻もしない。授業もサボらない。
そんな俺に担任もダチも驚いていた。
よく‘女は恋すると変わる’というけれど、男だって恋すれば変わるんだと、美波を好きになって初めて思った。
なんか乙女チックで気持ち悪いけど、恋のパワーはすごいと、ガラにもなくそう思った。
勉強はまだ苦手だったけれど、俺の学力は確実に上がっていった。
やるとやらないとでは大違いらしい。
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