4時間目

ご褒美は

P.34

大人と子どもの差。


俺には出来ないことが多すぎる。



でも、それは変えることのできない事実。


どんなに頑張っても、何をしても変わらない。



どんなに頑張っても。



頑張っても…?



俺は、何を頑張った?



美波を好きになって、好きだと言って、勝手に大人の男に嫉妬して、自分の年に失望して、落ち込んで――…



年を言い訳にしているのは、俺の方。



届かない想いを年のせいにして、自己正当化している弱い俺。



なんだよ、かっこ悪ぃ。


何もしないで、嘆いて、かっこ悪ぃ。



差があるのは、年だけじゃないのに。


距離があるのは、年のせいだけじゃないのに。



なのに、俺は打開策も考えないで、どうしようもない壁の前で立ちつくしているだけ。


時間だけが過ぎて行く。



きっとこのままじゃ、残るのは後悔だけ。



でも、どうすればいい?


どう頑張れば、差が埋まる?



わからない。



わからないけど、何かやらなくちゃ。


壁の前でじっとしてるわけにはいかない。




美波に近づくためにできることは、


美波に近づくために、今、俺ができることは――…

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