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「ごめん、おまたせっ…あれ?咲也くん?」
そこへ、ソプラノの明るい声が混じる。
「2人で何話してたの?」
何も知らない美波は、不思議そうに首を傾げた。
「何って…男同士の話だよ」
それに、男はニコリと笑ってそう言った。
俺はさっきから黙ったまま。
「何それ?気になるー」
「知らない方がいいよ、思春期の野郎どもの話しなんて。さ、帰るよ~」
男はニヤリと笑ってそう言うと、車の方へと美波の背中を押した。
「あ、うん。あ、咲也くん、何してたの?」
「別に…」
振り向いてそう言う美波に、俺はぶっきらぼうにそれだけ返すことしかできなかった。
「ん?じゃぁ、私たち帰っちゃうけど大丈夫?」
「……あぁ」
「え、じゃぁ、気をつけて帰ってね?バイバイ」
何も知らない美波は、不思議そうに見ながら、戸惑いながらそう言った。
そして、
「バイバイ、咲也くん」
ニッコリとしたわざとらしい笑顔向けたやつにイラッとした。
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