「顔もいい？」

それに俺の嫌悪感は増す。

思わず顔をしかめた。

「うん、ソージくんイケメンじゃない？モテるし」

それでも、そんな俺に気づいていないのか、美波はふふっと笑いながらそう言った。

俺の嫌悪感は、ますます増す。

皺が寄るのが自分でもわかった。

「美波、もしかしてアイツのこと好きなの？」

「え？ソージくんいい人だけど、チャラいからな～。あ、イタっ」

悪戯な笑みを浮かべながら言う美波の頭を、いつの間にかいたアイツがコツンと叩いた。

「なーに人の悪口言ってんのー？美波ちゃん。俺チャラくないでしょ？」

「えー」

妖艶な笑みを浮かべながらゆるい口調で言う男に、美波は頭を押えながら、冗談っぽく不満気な声を出した。

「こら、『えー』じゃないでしょーが」

「ソージくん、中学生に手ぇ出したら犯罪だよ？」

「俺ガキには興味ねーから大丈夫」

「うわー最低。みんなに言っちゃおー」

「ほら、美波ちゃんいい子だから、そーゆーのはやめよーね～」

そう言って、美波の頭を撫でる男。

「またそうやって子ども扱いする!!」

それに、プクッと頬膨らませて怒る美波。

男との身長差があるせいで、自然と上目遣いになる。

………ムカツク。

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