P.25

「あーあ」



じっとしてたら、ろくなこと考えない。



ムクッと起き上ると、適当に制服に着替え、学校へ向かった。




今はちょうど昼休みが終わったところか。



そして、向かった先は保健室。


俺のサボり場、№1。



「あー!!咲也だー!!」


保健室のドアを開けてすぐ、聞こえてきた大きな声に、面倒くさ気に顔をあげた。



「おー咲也、随分遅い社長出勤だなぁ?」


「咲也ー、今日も来ないかっと思ったよー。2日間何してたんだよー。ケータイも全然繋がんないしよー」


「わりぃな」


からかうように言うやつらとウザいくらい心配してくるやつにそれだけ言って、ベッドに腰掛けた。



どうやら先生はいないらしい。


それをいいことに、その時間ずっとダチらとくだらない話をしていた。


それが一番楽しいし、何にも考えなくてすむからいい。



帰りのSHRにそしらぬふりして自分の席に座っていたら、担任に「瀬野、お前今日来てたのか」と言われた。



次の日は、ちゃんと学校に行った。


といっても、遅刻はしたけれど、1時間目が終わる前には行った。



金曜日もそんな感じで、あっという間に土曜日になった。

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