3時間目
情けなくて、惨めで、かっこ悪くて
P.24
その後、俺はバスで帰ると言う美波をバス停まで送っていった。
それしか出来ない俺は情けなくて、惨めで、カッコ悪いと思った。
「…引き止めてごめん」
「ううん、また来週ね」
申し訳なく言う俺に、ふわりと笑う美波。
それにまたなんとも言えない感情が埋めく。
「じゃぁ」そう言ってバスに乗り込む彼女を、ただ見つめるしかできない俺はやっぱり、情けない。
どうしようもできないことだけど、それが余計にむしゃくしゃさせた。
この前以上にイライラして仕方ない。
フられたことにじゃなくて、自分自身にイライラする。
まだ未熟なガキな俺は、どうにもならない怒りを上手くコントロールすることができなくて、もうなんかいろいろとどうでもよく思えて、月曜日も火曜日も学校を無断欠席した。
鳴り響くケータイも無視。
水曜日も同じように学校をサボり、何をするでもなく、ベッドに仰向けになって、天井をボーっと見つめる。
自然に「はぁー」っと大きなため息がこぼれた。
「…なにやってんだろ?俺………」
誰もいない部屋で、ポツリと呟いた。
たかが女一人にフられただけなのに。
それも、6歳も上の女。
もともと見込みもなかったんだから、当たり前の結果と言えば当たり前の結果だ。
それに、フられたことには違いないだろうけど、『これからもよろしく』って言われたのに。
‘まだチャンスはある’って思うことにしたんじゃねーのかよ。
いや、でも、違うのか。
へこんでるのはそのせいじゃない。
中学生と大学生という壁。
どうしようもない壁に、その前で立ちつくすしかない俺。
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