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「え?!うそっ、恋愛相談??うん、誰が好きなの?」
そう言う君は、俺のそんな気持ちなんて知らないだろう。
「美波」
「うん、何?」
そう言ってふわりと笑う君に、きっと俺の気持ちは届かない。
それでも、
「美波が、好き」
後先考えず、無鉄砲に言う俺は、やっぱり若いと言うのだろうか。
「え?!私??」
「うん」
思いっきり驚く美波。
鈍感なのか、ありえないと思っていたのか、あるいはその両者か。
「えっと…」
「俺とつき合って」
「んーと…えっと……」
「美波、俺のこと嫌い?」
「ううん、嫌いじゃない」
「だったら、」
「待って。そんな簡単に『うん』とは言えないよ」
「なんで?俺が中学生だから?」
「違うよ。そうじゃなくて、まだお互い何も知らないでしょ?」
「そんなのつき合ってから知っていけばいいじゃん」
「それで?思ってたのと違ったら別れるの?」
「……」
あまりに真面目な顔をしていう美波に、思わず口を閉ざした。
好きだったら付き合う。つき合ってみて違うと思ったら別れる。
そういうもんじゃねぇの?
少なくとも俺はそんな感じでやってきた。
俺のまわりのやつらもまた然り。
何?ジェネレーションギャップってやつ?
それとも、‘価値観’の違いか…。
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