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彼女とは、2回3回と回数が増えるにつれてどんどん仲良くなった。
今では、すっかり名前で呼び合う仲。
まぁ、名前で呼ぶたび、『‘七瀬先生’でしょ?』と訂正を入れる彼女が納得しているかは別として。
この日もちゃんとチャイムが鳴る前に登校している俺。
チャイムが鳴ってすぐ教室に入ってきた担任は、俺を確認すると「お、瀬野ちゃんと来てるな」と満足そうに言った。
「土曜日だけじゃなくて、いつもそうしてくれたらいいんだけどな」と言う担任の言葉に、担任に続いて入ってきた彼女はフフッと上品に笑った。
「今日もよろしくお願いします」と挨拶した美波は、授業が始まるとすぐこっちに向かってきた。
「おはよう」
「あぁ、おはよう」
「いつもちゃんと来てないの?‘瀬野’くん」
ニッと悪戯な笑みを向ける彼女。
「咲也は遅刻常習犯だもんなー」
俺が答える前に、ニヤニヤと笑って言うダチ。
「そうなの?」
美波は悪戯な笑みを浮かべたまま、でもどこか不思議そうにそう言った。
少なくともこのクラスのやつにとっては、俺が遅刻してくるなんて当たり前で、今日みたいにちゃんと来ている方が珍しい。
だけど、土曜補講の姿しか知らない美波にとっては、俺が遅刻常習犯っていうのは疑問に思ったのだろう。
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