2時間目

ジェネレーションギャップ?

P.12

土曜補講は午前中で終わり。



終了のチャイムとともに、「あー疲れた~」と大袈裟に言って伸びをするダチを見て、クスクスと笑う彼女。



『寝てたくせに』とでも言いたそうだ。


悪戯な笑みを浮かべて言う姿が容易に想像できる。



その後、「来週もよろしくお願いします」と礼儀よく挨拶して、大学生たちは担任と一緒に出ていってしまった。



だから、彼女と話すことはできなかったけど、この日の俺はだいぶ機嫌がよかった。


妹に気持ち悪がられるくらい。



その効果は月曜日まで続き、珍しく目覚めがよかった俺は、遅刻することなく学校に行った。



でも、やっぱり珍しいものは続くものではなく、火曜日は遅刻して、水曜日は無断欠席した。


木曜日は早退して、金曜日は遅刻。



そして迎えた土曜日。



チャイム前にちゃんと登校した俺。


昨日「明日の補講はちゃんと来いよな」と担任に釘をさされたからではなく、なぜか目が覚めたから。



土曜補講2回目の今日も大学生が男女2人、この前と同じ人が来ていた。


もちろんそこに彼女もいるわけで、また「寝るな」と怒られたり、いろいろしゃべったりした。



その後も、平日はちゃんと行く日もあるけど、遅刻も早退も当たり前。


なのになぜか土曜補講だけはちゃんと真面目に行っている、俺。


勉強なんてもちろん嫌いで、最初は『土曜日に学校なんて』と思っていたけれど、それは確実に楽しいものになっていた。






その理由はただ一つ。



でも、この時はまだ、その気持ちは知らなかった。

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