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そして、迎えた土曜日――
土曜日に学校なんて、平日にすらまともに行ってない俺が行くはずねぇだろなんて思ったけれど、なんか本気で危ないらしく、担任に脅されて仕方なく学校に行く偉い俺。
しかも、チャイムが鳴る前に到着してるという奇跡。
今日は何かいいことが起こる気がする。
まぁ、ダチには「雨降る」だの「雪が降る」だの言われるんだろうけど。
教室に入って席は自由だと言われれば、一番後ろを陣取るのがもはや当然。
俺は迷うことなく廊下側の一番後ろの席にドカッと腰を下ろした。
まわりはもちろん知った顔。
俺らがかたまって座ってると、担任にぶつぶつ言われるけれど、そんなことを気にする俺らじゃない。
大概「いーじゃん、別に。来ただけでも偉いっしょ?」なんて言って終わり。
担任の呆れた顔はもう見飽きた。
キーンコーンカーンコーン
チャイムと共に、来て早々机に突っ伏す俺。
補講なんてやってらんない。
眠いし、寝てよ。
目を瞑った俺の耳には、ガラガラとドアが開く音が届く。
次いで「ほら、席着けー」と言う、聞き飽きた担任の声。
いつもとなんら変わらない様子に、曜日感覚がおかしくなりそうだ。
いつもと変わらない朝に、次に聞こえる言葉も想像できるほど。
が、
急にザワザワと騒がしくなった教室とそこに紛れて聞こえた2つのスリッパが床にこすれる音。
それを不思議に思って、突っ伏していた身体を起こした。
そして、そのまま黒板の方を向けば、そのまま顔をそらせなくなった。
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