はじめます



「では――口淫から始めさせていただきます」


「あ、はい。お願いシマス……」



 ソファに座る俺の前に膝をつき、カチャカチャとこちらのベルトを外す彼女。


「け、結構胸、でかいすね……」


「ほ、ほんとですか? ありがとうございます」

 照れた感じで微笑むお姉さん。


 最初見た時から思ってはいたが、胸回りがパツパツだ。全体にほどよくムチムチとしていて、ナース服を狭苦しそうに押し上げている。


「い、今の看護師さんってこんなこともやってるんすね。医療従事者も大変だな……」


「わたしも特命でやってるので。誰かに聞かれても、絶対にナイショですよ?」


 しぃ~っ……と指を口に当てて、茶目っ気たっぷりに片目を閉じる。なにそれ、可愛すぎなんですけど。


 こちらの下着に手をかけて、

「失礼しまぁす……ひゃっ、」

 姿を現した愚息を見て、裏返った声を漏らすお姉さん。


「ぉ、おっきい……、、」

 まじまじと見つめる。女の人に見られるなんて幼稚園の時以来だわ。もちろんかーちゃんな。


「では一度清拭しますね」

 個包装をびりっと破いてアルコールティッシュを取り出すと、既に臨戦状態の竿を拭い始める。スースーして気持ちがいい。


「あの、既に挿入可能な状態の場合、口淫を省略してすぐに性交へ移行することもできますが?」

「へっ⁉︎ あ、じゃぁとりあえず口で」

 『性交』なんて言葉が出てきて、思わず怯んでしまった。ホントにヤるってことこれ? 現実感なくて『お持ち帰りで』のノリで答えちゃったよ。


「ッ、か、かしこまりました。それでは失礼します……」

 なんとなく余裕なさげにお姉さんがごくりと唾を飲む。


「――痛かったら、言ってくださいね?」

「り、了解。――お姉さんもムリしないで」


 何て声をかけたものかわからず言うと、お姉さんは一瞬目を丸くして。


「――ふふ、ありがとうございます。……優しいんですね」

「ッ、」


 ちょっとだけ表情を和らげたお姉さんは、薄く微笑み、髪を耳にかけながら――口元を俺の愚息へと、近づけていった。

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