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大事な休日を婚活パーティーに捧げたその日、まさか元宿敵と再開を果たすとは夢にもおもわなかっただろう。
「まさか、お前に出会うとはな……」
先に沈黙を破ったのは男の方だった。
「それはコッチのセリフなんだが?なんで人並み外れた魔王が人間になって婚活パーティーなんかに出向いてんだよ」
女は呆れながらに呟く。
「それは嫁探しで……いや、それを言うならお前も女になっているではないか」
「染色体は選べないからなー?」
「私も選んで来た覚えは無い。気づいたら人間に生まれ変わっていたのだ」
「あぁ、そうかい」
休日の午後。
公園のベンチで他愛の無い話をする二人は、ボーッと空を見上げていた。蒼く澄み渡る空には、一筋の飛行機雲が縦に伸びて上がっていく。
「……マジで時代が変わったよなぁ」
今度は女が口を開いた。
「あぁ。あの頃が嘘の様だ……」
男は魔王だった頃を思い出していた。
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