7

大事な休日を婚活パーティーに捧げたその日、まさか元宿敵と再開を果たすとは夢にもおもわなかっただろう。


「まさか、お前に出会うとはな……」


先に沈黙を破ったのは男の方だった。


「それはコッチのセリフなんだが?なんで人並み外れた魔王が人間になって婚活パーティーなんかに出向いてんだよ」


女は呆れながらに呟く。


「それは嫁探しで……いや、それを言うならお前も女になっているではないか」

「染色体は選べないからなー?」

「私も選んで来た覚えは無い。気づいたら人間に生まれ変わっていたのだ」

「あぁ、そうかい」


休日の午後。

公園のベンチで他愛の無い話をする二人は、ボーッと空を見上げていた。蒼く澄み渡る空には、一筋の飛行機雲が縦に伸びて上がっていく。


「……マジで時代が変わったよなぁ」


今度は女が口を開いた。


「あぁ。あの頃が嘘の様だ……」


男は魔王だった頃を思い出していた。

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