第5話 目的地へと
まだ月明かりが照らす朝の4時。俺たちは目的地へ向かって歩いていた。
「いやぁ、朝は夏でも冷え込むね〜。」
「…お前ノリノリだな。」
大きいリュックを背負った一華がルンルンとはしゃいでる。
「あたり前じゃん!せっかく火沙とデートなんだから。行くんでしょ?あそこ。」
俺は無言でうなづいた。
「なんてったって子供の頃から憧れてたからな。」
幼少期、一華と一緒に勝手に入って怒られてしまった広くて綺麗なキャンプ場に俺たちはずっと憧れていた。
「次で2回目だね。」
一華が嬉しそうに笑う。
「にしてもよくあのおやっさんが許可だしたよな。」
おやっさんというのは一華のお父さんだ。
「いや~もう宥ちゃんが用能なのよね〜。」
「宥人さんがそこまでしてくれたのか?!」
感謝してもしきれないな。
「まぁ、3日間だけなんだけどね。」
「……。」
そう、おやっさんから提示された条件は3つ。
3日間だけということ、絶対に無理をさせないこ
と、そして……
絶対幸せにすること。
それが提示された条件。
「ってことで火沙………」
「一華、」
「ん?」
「この3日間で俺は一華に100年分の人生を送るよ。」
「……!!」
………空振った??…はっず……!!!
すると彼女は少し走ったあとに、振り向いて言った。
「火沙!!………よろしく!!!」
「………!!」
決めた……絶対に俺は今日一華に……。
一華が、スピードを上げる。
「早く早くー!!」
「あ待て、走んなよ!!」
慌てて俺も走り出した。
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