第27話
なんとなく照れ臭くなり、香椎の瞳から反らす。
「キスしてくれたら、残りの200台も俺が抑えてやる。」
「へ?」
「って言ったら、里夏は香椎寿佐にキスする?」
このスパイラルパーマは私の心をスパイラルにするつもりか。元カレが今カノでなくともキスを欲するのはどういった現象なのか。まだセックスを求められる方が腑に落ちる。
「はあ?」
「200台の等価が元カレとのキスよ?」
「キスって、ちゅっと?」
「ちゅっとちょっと。」
「キス一つで、200台確保か〜……」
「悩ましげだねえ里夏ちゅあん。」
「まじで?キスするだけでいいの?」
「そだよ。香椎、ウソつかない。」
いや内心ほんとスパイラルだよ新車部の課長。新車売ってるのになんで中古車300台も確保してくれたの?
それよかキスなんて香椎ならいくらでもしてくれるでしょ。お金払わずともさ。ショールームの派遣さんだって香椎課長推してる子いるんだよ?それかそんじょそこらのグラマラスな女整備士にしてもらえばよくない?
なんてことは顔に出さず、ただ200台との天秤にかけている振りをする私。斜め上70度あたりを見てどうしよっかな〜♪なんて。
手の平には汗が吹き出ているけど、これは朝活で1時間歩いているから新陳代謝がいいお陰なのだ。といいますか天使の政略結婚相手もいることだし。天使のキスでよくない?
「いやーナイナイ。」なんて手を振りながら香椎を見れば、あれ?イッツァマジック。
香椎が実来君になっていた。
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