第7話 お泊まり会の序章
「では、改めて、かぁんぱぁぁーい!」
4人揃って、正確には3人と1体、
いや、やはり4人としておこう、
おねえさん本人の申告によれば、
高度な知性体によって作られたボディではあるが、
細胞からDNAまで、完全に地球人と同じで、
区別がつかないものらしいから。
他の3人は確実に人間で、
幼馴染同士の健太郎、美乃花、晴子。
そんな4人、リビングで飲み会が始まった。
「ねぇねぇ、おねえさん、ちゃんと答えてくださいね。
おねえさんは、何者なんですか?」
「ちょっと、美乃花、そんなストレートに、失礼だよ。」
晴子は、もっともらしいこと言った後、
「で、おねえさん、健太郎とはどこまでいってるんですか?」
「ぶぉふぉ!ぐおふぉ!ごふぉ!」
ムセる健太郎。
「健太郎様には、今夜こちらへ泊まるようお誘いいただきました。」
「健太郎から誘ったの!?
やるじゃん健太郎!おじさんおばさんが留守なのを狙って、
、、、イヤらしー健太郎ぉ!」
「違うよ!そんなんじゃない。」
健太郎は否定する。
「そうよ、おじさんおばさんの旅行、
健太郎は知らなかったみたい。
二人きりはまずいからって、私が呼ばれて、晴子も呼んだのよ。」
「ふーん。でも、
なんでこんなキレイなおねえさんが、健太郎と、、、。
で、二人はどこまでいってるんですかぁ?」
「それは、私も気になりますぅ!」
美乃花と晴子は、おねえさんに詰め寄る。
返答に困るおねえさんに代わって、健太郎が答える。
「何にもないよ。
困っているおねえさんを助けただけ。人助けだよ。」
「そもそも、おねえさんと健太郎は、どこで知り合ったの?」
「それはぁ、そのぉ、、、。」
今度は、健太郎が答えに困った。
代わりにおねえさんが。
「私は、仕事を通じて健太郎様と出会いました。
業務の上でのお客様だったのです。」
「えぇぇっ!?それって、もしかしてエッチなお店なんですか!?」
「美乃花、違うよぉ、どうしてそういう話になるの!」
「だって、健太郎、エッチなんだもん。」
「そうそう、健太郎は、小学生の時から変態だった。
お医者さんごっこ、恥ずかしかった。
すぐにパンツ脱がすんだもん。」
「そ、それはお互い様でしょ。
僕も、おチンチン、何度引っ張られたか!」
「キャハハハ!だって、健太郎、
おチンチンのすぐ横にホクロがあるんだもん!」
「そう、あったあったわ。」
「お城の時も、、、キャハハハ、健太郎のえっちぃ!」
「キャハァ!恥ずい、ハズい。
、、、、おねえさん、蚊帳の外にしてごめんなさい。
とにかく、健太郎は、エッチなんですよぉ。」
「もう、美乃花も晴子も、その話はやめてよ!」
「そのまま続けてください。
健太郎様が困れば困るほど、私の業務の評価が上がるはずです。」
「ちょっと、おねえさん、そこまで!」
「それ、どういう意味ですか?
おねえさんのお仕事ってなんなんですか?」
「私の仕事は、パラレルワールド間の転移プランナーです。
あなたの過去の失敗を無かったことに、
希望の現在と未来を手に入れることができます。」
おねえさんの発言に、
健太郎は手のひらで顔を覆って、万事休すの思い。
ところが。
「、、、キャハハハ!おねえさん、飲み過ぎぃ!」
「厨二病だぁ!設定エモい!キャハハハ!」
予想外の流れに健太郎は戸惑う。
それでも、おねえさんのダメ押しの発言が出た。
「、、、、私は健太郎様のサンピーを無かったことにするはずだったんです。」
「えっっ!?」
「なんで、それ知っているの?」
「ああああ!!!健太郎、おねえさんに喋ったの!!??」
「ひどい、健太郎!!!
言わなくても秘密にしなきゃダメなこと、わかるよねぇ!?」
「喋っていない!誰にも話していないよ!!」
「そうです。健太郎様は秘密を守っていますよ。
私がただ観測しただけですから。」
美乃花と晴子は意味がわからなかった。
「えぇぇぇ!どーゆーこと!?」
「見られていたの!!??」
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