第4話 ウガッタ見方
「ところで、美乃花は、何か用事で来たんじゃないの?」
何とか別の話題に切り替えたい健太郎。
美乃花は、おねえさんの正体の追求は、後でしっかりしようと思いつつ。
「そうそう、DVD貸して欲しくて。」
「いいよ。何?」
美乃花に早く帰ってほしい健太郎。
おねえさんが余計なことを話出す前に。
「えーっとぉ、タイトル忘れちゃった、なんだっけ?」
「なになに、ヒントおくれ。」
「フランス映画。フランス語のレポートのネタにしたいのよね。
えぇっとぉ、、、、」
「アメリ。」
「あーーーそれ好き好き大好き!でも違う。」
「五月のミル。」
「それも好き。でも違う。」
「グラン・ブルー?」
「違う。あっ、でもよく似たタイトルかも。
、、、ブルー、、、
ほら、こないだ、完全版が手に入ったって、言っていた、、、。」
「そう、ベティ・ブルー!」
顔が赤くなる健太郎。
「あ、あっ、あ、あれはダメだよ。」
「えー何でぇ。貸してよ。
健太郎、昔見て、絶対おすすめって言ってたじゃん。」
「あれは、劇場公開のバージョンとは別物だった。
やめといた方がいいよ。」
「やめといた方がいいです。」
口を挟んでくるおねえさん。
おねえさんもなぜか、顔が赤くなっている。
「おねえさんも見たんですか?」
「データが入っています。」
「なにそれ。まぁ何でもいいけど、貸してよ、健太郎。
貸すのが心配なら、ここで一緒に見ようよ。」
「無理、むり、ムリ、mooly!」
「どーして。ちゃんと理由を言いなさい!」
母親的口調で迫る美乃花。
おねえさんが、赤面しつつ真面目な顔で話す。
「健太郎様、あなたがそういうウガッタ見方をして、どうするんですか?
あっ、この【ウガッタ見方】は、本来の意味ではなく、
現代的な意味です。疑って見る、の意味です。」
健太郎は、美乃花の存在を忘れて一言。
「、、、おねえさん、解説ありがとうございます。
いろいろな知識を持ってるのはわかりました。」
「なにそれ。おねえさんも無理な理由がわかるの?」
「あの映画は、男女の深い深い真実の愛を描いた名作です。
ただ、表現上、AVと見間違うような映像も出てきます。
フランス映画だからこその激しい行為が出てきます。
劇場ではカットされての公開でしたが。」
赤面が治らないおねえさん。
「ああ、そうなの。」
ちょっと恥ずかしくなった美乃花だが。
「だったら、ぜひ見たい!」
「チンチンブラブラでもいいですか!?」
おねえさんは嬉しそうに言う。
「そんな言い方しないでぇ!いい映画なんだから!」
健太郎は叫ぶ。
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