第35話 美少女姿に復帰!(裸)
マオの言った【
【
【
【
【
で、今度は【
これ、全部エイリアンたちの俺の呼び名。
なんだろう、人に変な「二つ名」をつけないでほしい。
っていうか、猫がエイリアンって。
たしかに猫とグレイ型の顔は似てるところがなくもない。
けど、猫のほうが圧倒的に可愛い。
特にこのマオはふさふさだし。
灰色気長のマオの背中を擦りなながらグレイ型入江のことを想う。
(いや、でも入江もゾッとする見た目だけど、あれで案外いいところも……)
ぶんぶんと頭をふる。
いったい誰に言い訳してんだ、俺?
ま、そりゃ、あれか。
あのエイリアンたちの中じゃ、入江が一番庶民っぽくて人間ズレしてないからか。
猫型エイリアンのマオは、自己紹介を終えると「ちょっと疲れたから休むにゃ」と言って俺の胸の上でスピスピ鼻息を立てながら寝てる。
重たいからどかそうと思ったが、なんだか可愛くてそのままでいいかって気になってそのまま。
今までペットを飼ったことはなかった。
けど、こうして他の生き物の体温を感じてると、いいなぁと思える。
なんかリラックス出来るし、シンプルに猫って可愛い。
ハッ……もはやこれも猫型エイリアンの生存戦略……!?
とも思うも、やはり可愛さには抗えない。
あぁ……そしてこの手触りよ……。
ふさふさ。ふわふわ。もふもふ。
(あぁ~……癒やされるぅ~……)
そのまま俺もまどろみに落ち、すっきり朝まで寝た。
マオと一緒に。
【翌朝 食堂】
「
「誰がカスにゃ。野蛮なゼノモーフ型の方がよっぽどカスにゃ」
テーブルの上で丸くなってリンの用意したカリカリを貪りながらマオが言い返す。
「ふむ、つまり入江の受け取ったメッセージ『送った』とは……」
「にゃ、ワチのことにゃ」
胸を張る猫、マオ。
マジかよ……。
そんな空気が食堂を覆う。
猫……。
いや、可愛いけどさ……。
可愛いだけじゃん、猫。
あと一応喋れるけどさ。
それだけ。
ほら、
「むむ、もしやワチが来たことに不満にゃ?」
「不満ていうか、絶望? どうすんの、貴重な超次元エネルギーをこんなもんの転移に使っちゃって……」
「にゃにゃ!?
「いえ、でもこれ意外と理にかなってるかも……」
入江があごを触りながら呟く。
「ほら、今の両時空の間ってスゴく遠くて入り混じってて、少ない通信量しか送れないわけじゃないですか」
「なるほど、限られたリソースの中で転移するには、この『猫』が最良の大きさだったというわけか」
「にゃ。後乗りでやってきたチミらの代表たちが会議に会議を重ねてこのマオ様を送ることにしたのにゃ。この決定に従わなければチミらは【反逆者】として追われることになるにゃ」
「え~、そんなのダル~い、やだ~」
猫が喋ってるのもシュールだけど、シンプルに俺がわからないことを話されてるのも正直ウザいよな。
無理やり話に入ってやる。
「で、来たからにはなんか役割があるんだろ? ただ可愛いだけ、もふもふなだけ、じゃないよな?」
「うにゃ、チミにくっついて寝たおかげで力が回復してきたにゃ。ワチは……」
マオは短い足でスタスタとテーブルのまんなかまで歩み出ると「フーッ!」と尻尾を立てる。
「え? マオ、なにを……って、うわっ!?」
ピリ──。体に電気が走る。
一瞬のまばたきの後、俺の目に映ったのは──。
ははは……?
「裸ぁ!?」
裸姿の入江たちの姿だった。
もちろん、人間の姿の。
「キャッ!」
「お?」
「ふむ……」
「え~! 最初はグラビア飾ってアマツキに見てほしかったのに~!」
お嬢様系美少女入江。
ギャル系
クール系
アイドル系田中さん。
みんな裸だ。
ちなみに田中さんはサイズが人間サイズに戻ってる。
「にゃにゃ! これがワチの力にゃ!」
得意げに胸を張るマオを見た。
と思った瞬間、伸びてきた入江の手のひらに目を覆われた。
冷たいその感触を両のまぶたで感じつつ、「人間姿でも伸びるんだ、体」と思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます