第17話 卵植え付けられフラグ
勝利を飾った
「
「ふむ、基本的なパワーに差がありすぎたか」
「うぇ~、グロ~。でも相手モンスターだし、まいっか~」
笑顔の3人と対称的にバロムとロゼッタは、あんぐりと口を開けている。
「あ……あのローパーを一撃で……?」
「アマツキさん……? あなた達ってほんと……」
うん……実は俺もあなた達と同じ気持ちです……。
なんてのを表に出すのもダサいかなと思った俺は。
「ま……まぁ、計算通りです!」
と、胸を張ってみる。
そんな俺の前に
「ソラ、右手」
「へ?」
パァン──!
ハイタッチ。
いたっ──くない。
めちゃめちゃ凶悪な爪の生えたゼノモーフ型エイリアンの
だけど、うまく力加減を調節してくれたみたい。
「うわっ!?」
今度はちょっとゴツゴツした
そんな俺の耳元に涎ジュルジュル、牙ザクザクの口を近づけて囁いた。
「聞こえてたぜぇ~? さ・っ・き・の♡」
「さっきの?」
聞こえてたとは?
(ハッ──!)
脳裏に蘇る。
『勝負なんかより、俺は……お前に生きていてほしいんだぁ!』
うぉぉ……俺、結構恥ずかしいこと言っちゃってないか……?
いや、でも入江やロゼッタにも恥ずかしいこと言った気がするし……。
おぉ……今まで人とこんなに長い時間過ごしたことなかったら、たまに距離感が……。
「きゃははっ! 照~れちゃって可愛いな、ソラは! ま、今は試合中だし……ま~た後でな♡ この『
やめて、そのチェンソーみたいな突起振動させるの。
涎、飛び散ってるし。
涎が飛び散った箇所、なんか蒸発してるし。
離れていく
ふぅ……。
とりあえず、一つ勝ちだ。
あの殺人突起で卵を植え付けるのがどうこう言ってた気がするが、今は目の前の試合に集中しよう。
「え~っと、
次鋒の
「次鋒、前へッ!」
すぐに次鋒戦が始まってしまった。
「さて、行くとするか」
ソウルジェム魔法少女モノ風ドクター型エイリアン、
(
な~んて心配する暇もなく、次鋒戦は一瞬で終わった。
「勝者……イーヴァル・エイリアンズッ!」
相手はマンイーター。
デカい花弁に5本の触手を持つ植物系モンスターだった。
それが、試合開始と同時に一瞬にして「
そのアームは、一つ一つが改造手術用のドリルやペンチのような形をしている。
そこから受ける印象は──。
(蜘蛛……)
っていうか……。
(メス持たなくてもめちゃくちゃヤバいじゃん、こいつ!)
そして俺は、いや~な言葉を思い出す。
(あれ? 俺、前にこいつに言われてたよな……?)
って。
え、ちょっと待って。
絶対手術されてんじゃん。
そういや【宇宙遺伝子ソロンα】がどうのこうって……。
え? えっ?
マ ッ ド サ イ エ ン テ ィ ス ト 。
そんな言葉が頭をよぎる。
眼の前にある
そに残骸は、まるでキャバ嬢の誕生日に届くスタンド花のように飾り付けられている。
(改造……されてね?)
その
「むむむ……。貴様に、この
「俺の記憶を消そうとしてる!?」
「大丈夫、痛くないようにするから。」
「そういう問題じゃないから! っていうか前に俺を拐ったって時になにかした!?」
頬を染める
「なに赤くなってんだよ! なにを思い出してんだよ!」
そんな俺のツッコミを無視してバロンが唸る。
「う~む。これはもしかすると、アマツキ殿たちは本当に姫の言っていた【勇者】にも……」
「いいから! 勇者とか気が早すぎるから! この2人が単に規格外なだけだから! もうちょっと先まで見て冷静に判断して!」
と、言葉の通り、もうちょっと先まで見てみた結果。
● 入江 vs スキュラ ◯
● 田中さん vs ワーム ◯
ち~ん。
あっけなく2敗。
当然の結果、である。
だって二人に戦闘力なんかないし。
田中さんなんか、空に退避して試合開始1秒で棄権だし。
入江は体を伸ばしたり固くしたりで粘ってたけど、敵のクソデカワームの口の中から無数のワームが出てきた瞬間に棄権。
うん、あれは棄権でよかった……。
ってことで、勝負は大将戦。
これに勝てば俺たちは2回戦、デュオ率いるレッドキャップチームとの戦いに進むことが出来る。
ロゼッタのためにも是非2回戦に進んで一泡吹かせてやりたいところだ。
でもさ。
今から俺が戦う大将戦の相手がさ──。
ド変態テイマー『ソー・クヴァック・アニマ』。
ソー・クヴァック・アニマ……。
覆面、腰布、ブーツのみの半裸の男。
今も俺の目の前で、自身がテイムするモンスターの触手にまみれて喘いでいる。
う~ん、はたして勝てるのか……っていうか。
貞操とか大丈夫なのか……俺?
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