第12話



 谷部先生はダンボールを持ってそのまま部屋に戻って行った。


「あ、埃、掃除しておいてね」と、言い残して。


 近くに置いてあるミニほうきとちりとりで、散らばった埃たちを集める。


「私も読んでみようかなぁ……」


 独り言のつもりだったけど、どうやら先輩はその声を拾っていたらしく。


「花ちゃんも一緒に読もう。どうせ放課後に本借りに来る人なんてほぼいないし」


 先輩、それは事実ですけど、図書委員の身としては即答していいものか悩みます。



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