第11話



「また出す予定もなし?」


「悩み中だね。閉まっててももったいないし、折を見てまたスペース作る予定」


 そう言って、取り出してたマンガをまたダンボールへとしまう。


「早めに出してよ。俺、まだ読めてないのもあるからさ」


「はいはい。そんなに読みたいなら、私に声さえかけてくれれば貸し出すよ。あ、読むなら図書室内でね」


「え、いいんすか?」


「持ち出さないでくれるなら、問題ない」


「やった」


「良かったですね、先輩」


 嬉しそうな茅野先輩の顔。

 いつもより、少し幼く見える。

 ……口が裂けても本人には言わないけど。



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