第2話



「あ、花ちゃん」




 図書室に私が来てしばらくすると、必ずと言っていいほど現れる人。



茅野かやの先輩」




 茅野先輩は1つ上の先輩。

 夏休みをきっかけに、話すようになった。


 私が図書室にいるのをどこで聞きつけてきたのかは分からないけど、私が担当の日は必ずと言っていいほどいる。




「今日寒かったねぇ。冬に片足突っ込んでる感じ」


「もう11月ですからね。先輩、もしかして上着着てこなかったんですか?」


「そうなんだよ。いらねーかなって思ったけど、そんなことねぇわ。明日はちゃんと着てくる」


「風邪ひかないようにしてくださいね」


 なんて、他愛ない話をするくらいには仲良くなっていた。



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