第4話


 翌日。


 いつもよりぐっすり睡眠を取った未来は、朝食を取り終えた後、すぐにホテルを出た。

 約束の時間にはずいぶん早いが、歩いて街の雰囲気を感じたいという目的があった。


 目的地は大久保。

 駅からもそう遠くないと聞いていたため、歩いて向かうことにした。



 中央区・東京は、未来が住む北区とはずいぶんと景色が違う。未来は北区の中でも仙台という、北区の中では都会に位置する場所で暮らしている。

 そこそこに人の出入りが多いけれど、中央区はそれよりも更に多い。


 のんびりと目的地に向かいながら歩いていると、そこには北区とそんなに変わらない朝の光景が広がっていた。


 足早に駅の方面へ向かうサラリーマンや学生。

 車もひっきりなしに走っていて、長い列が出来ている道もある。

 違いは、人の多さくらいだろうか。

 どこの人たちも、朝は忙しないらしい。


 今日に限っては、未来はその枠組みに当てはまらないので、まるで自分だけ時間の流れが違うように感じた。



 さすがに早く出過ぎたようで、目的地付近には、約束の時間の1時間以上前に着いてしまった。

 時間まで、未来は近くのカフェに入り、今日の仕事の内容を確認していく。



 時間はあっという間に過ぎていき、約束の時間15分ほど前にカフェを出た。

 ここからはおそらく数分もしないで着くはずだ。


 通勤ラッシュも終わり、それでも人が多い中を歩いていく。

 途中で大通りを曲がり、住宅街に向かう道へと入る。

 その通りの道半ばに、目的地はあった。

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