くっっっっそ絶対超重要(読まないと本作の読み方に迷いを覚える)

(本作公開から約2ヶ月後に記載)


 この物語は、実際にそこにいた透明な第三者目線で書かれたものです!あと彼らは、わかりづらくも的確にたとえると、FBI捜査官並みに心を読みます。わかりやすく不正確にたとえると、メンタリストのように心を読みます。


 それを踏まえていないと、人物や状況の視点移動が起きた時混乱します!


 また、基本的に彼らは、人物や、行動の後にその人物の台詞を記述します!場合によっては、台詞のあとにその人物や、行動を記述します!


 例


 








 部屋。薄暗い明かりの中、2つの瞳がきらめく。赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。



 電気の白い光を浴びる少年は、ティッシュで鼻水を噛む。離すと、つーっと糸を引いた。幾度いくどもティッシュでこすられた鼻下は、湿って赤く腫れている。少年は、自らの頭の影で暗く見える、濡れたティッシュをじっとみつめた後、その汁をすする。

「うま……けっこうイケる」


 少年はティッシュから口を離し、唇の端に落ちてきた涙をなめた。


 汁をすする音と、鼻をすする音が、冷たい部屋で静かに聞こえる。

 玄関で鍵が、がちゃりと鳴った。

 扉が開き、寒い風を追い出すようにそれが閉じられる。

 そこにいたのは厚化粧の女。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。

 再び鍵ががちゃりと鳴り、廊下から足音が近づく。

「あんた何してんの!」

 目の下にくまがある女は、少年からティッシュを乱暴に取り上げる。

「やめなさいよばかみっともない」

 崩れるように膝を曲げた女は、少年を抱きしめた。女の肩へと、顎をのせる少年。そのかさついた唇を、水のような鼻水が濡らす。

「濡らして塩かけた。思ったよりイケるんだよこれ」

 女の目頭からぬくもりのある涙が鼻の横を伝い、落ちる頃には刺すような冷たさになる。

「ごめんね……ごめんねあたしがばかなせいで」

 少年はのせていた顎を少し離した。

 

 その時少年の充血した瞳に、お金のきらめきのように写ったもの。

 

 女の耳、きらりと、赤い小さな宝石の耳飾り。ガーネット色。

 

 少年の目はどす黒くなった。その時強く鼻をすすって、そっと上を向く。


 天井に茶色いしみがあった。少年の瞳に鏡のように反射するのは、小さく割れた板チョコレート。

 

 まばたきをこらえる目、その目尻には、大粒の涙がたまっている。



 部屋の冷たさに、少年は鳥肌が立った。







 









 ただし例外として、場が混乱していたり、複数人の存在、騒音などで声が識別できない場合、台詞の後に人物が描写されるか、もしくは誰の声かわからないままになります!







 例2












 大きな部屋。LEDの明るい暖色の光を浴びる少年は、床で座りながら鼻水で濡れたティッシュをすする。

「おいちい」

 その時、少年と並ぶほど大きな犬の、吠える声が響く。その犬は玄関へと走り、首輪の鈴を鳴らした。

 玄関から、鍵と扉の開く音がする。

「しーずーかーに」

 寒い風を追い出すように閉まる音。そして、廊下から、重なる複数の足音が近づく。

「ただいまーはぁーさむかったあったけー」

「あんた何してんの!」

 はじめに鼻が詰まった男の声。その後に甲高い女の声が、少年の耳を刺す。

 目尻を吊り上げている女は、少年からティッシュを乱暴に取り上げた。

「やめなさいよばかみっともない」

 ロングコートを着ているその女は口を尖らせて、近くのごみ箱へ放り投げた。

 大きな犬に飛びかかられた男、鼻をすする。手に持った大きな買い物袋を下ろした。体をのけぞらせながらその背中をわしゃわしゃと撫で、落ち着かせる。男は脱いだロングコートをソファにかけ、仕立ての良い薄青色のビジネスジャケットを脱いでそれに重ねる。ネクタイを緩めた。落ち着いた犬は少年の後ろに移動すると、体で囲むように横たわった。

「きったねー」

 女は、男の二の腕に頭をもたれかけさせ、にっと微笑む。

「誰に似たんだかね〜?」

 鼻すする男は、女の肩をそっと抱き寄せる。

「誰だろうな〜?てかかあさーん!?どこー?」

 トイレの扉、向こうから水の流れる音がした。

 開いた扉、白髪の目立つ女が現れる。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。

 小さく赤い宝石の耳飾りが、耳できらめいた。色褪せ、赤珊瑚あかさんご色へと変じている。


 鼻すする男は耳飾りへと目線を送り、首を傾げた。

 その男の視線。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。


 白髪の女は男へと、呼びかけに対する返事をする。


「はいはい」


 鼻すする男はその耳を指した。


「あれ?なんか色変わった?」


 男は赤く乾いた鼻下を触りながら、白髪の女を横目で見る。


「さあね。時間も経てば色くらい変わるんじゃない?知らんけどさ」


「ふーん。てかちゃんと見ててよもぉー目ぇ離すからティッシュ食べてるじゃーん」


 白髪の女はにやりと口端を吊り上げる。


「あっら。誰のばかがうつったのかしらね。あんたに似てきたじゃない」


 鼻すする男は、ぼりぼりと後頭部を掻いた。白い長袖のシャツから時計が顔をのぞかせる。その銀色、お金のようなきらめき。


「もーその話やめてー」


 男は口を両手で押さえてくしゃみをした。鼻をすする。

 足元のティッシュ箱から一枚、少年はそれを取って立ち上がると、男へ、腕を高くして片手で差し出す。


「あげるぱぱ」


 ティッシュの味を思い出すかのように、男は唇の端をなめ、それを受け取った。鼻をかむと、乾いた鼻下がひりひりと痛む。置いた買い物袋から板チョコレートを取り出し、少年へ、札束のように扇いだ。


 濡れたティッシュを拳で包むように隠す。


「おいしくないからやめろよ。ご飯までがまんして」


 男にもたれかかっていた女は、その二の腕を突き放し、板チョコレートを取り上げる。

 ふじ色の、あでやかな瞳、麦色の、派手やかな瞳。


 男は強く鼻をすすった。


「食事前にお菓子あげんなって言ったよね?」


「はいはい俺が悪かったですねー」


 どす黒くなった、男の目。ただちにぎゅっと、強くまぶたが閉じられる。固くなった目の笑み。強く鼻をすする。


 ゆっくり開けられた時、その目は、やわらかい色をしていた。


「我慢しろってさ。ごめんな」


「いらない。ちょこきらい」

 ふぎ色の、白眼はくがんの瞳、麦色の、派手やかな瞳。


 暖房の風が顔に当たった。ひりついた痛み増したように、乾いた鼻下の赤みが増す。鼻を強くすすった。


 苦い笑みを浮かべる男。乾いた鼻下に垂れかけた鼻水をすすり、少年の頭をやさしく撫でる。


 部屋の冷たさに、男は鳥肌が立った。



 


 

 



 








 次に、物事の抽象化と具体化の行き来が大事です。抽象化とは、アリが死ぬという具体を見て、生物は死ぬ、と理解することです。具体化とは、生物は死ぬという抽象から、アリは死ぬ、と理解することです。またそれを応用して、アリは死ぬ、という現象から、魚も死ぬ、と導く並列化も重要です。


 他にも細かい点はありますが、重要なのはこれだけです。


 あなたが違和感を覚えることは、誤字でもない限り意図されたものです。物語で起こっていることとその違和感を重ねてください。あなたの人生経験を重ねてください。


 作品に対して疲れを感じた時、それはあなたの脳の前頭葉、特に前頭皮質がめっちゃ頑張っています。他者視点を得ようとしているあなたの努力が、そうした感覚を引き起こすのです。ストレスが苛立ちや攻撃性に変わった時、それは扁桃体が反応しています。


 この状態は、全ての物語を通して拙作が向き合おうとしているテーマのごく一部です。拒否も不快も愉快も、全て織り込み済みで、読まない選択すら、この作品が挑もうとしていることです。


 この物語は、あなたの人生経験を問います。


 ではでは!楽しんでいってください!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る