第6話 そんなものはありませんでした。

 あなたは戦うことにしました。

 近づいてくる騎士を目の端に捉え、腰にある剣を……。


 そんなものはありませんでした。

 そうです、丸腰です。


 しかし、一度戦うと決めた以上引き下がれません。

 目の前に迫った騎士めがけてパンチを繰り出します。

 手には、固い鉄の感触が伝わってきました。

 騎士にダメージがあったかはわかりません。

 そこで、あなたは二発目をお見舞いしようとします。


 グサッ。


 なにかが刺さる音がしました。

 見ると、騎士が剣を突き出しています。

 その先は、あなたのお腹です。

 不思議なことに血は出ていませんが、意識が遠のいていきます。


「チュートリアルでの放置行為を確認。処罰します」


 最後に、そんな言葉が聞こえました。


【ゲームオーバー → 第4話へ】

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