第4話:私のせいの巻。

ベルのことを母ちゃんに任せて、僕は警察から支給された白いチャリで

派出読まで急いで走った。


完全に遅刻・・・案の定、先輩の「五十嵐さん」にしこたま怒られた。

僕が悪いんだからしかたないけど・・・。


「おじさん・・・その人悪くないです・・・私のせいなんです」


え?って声のした方を向くと、ベルがいるじゃないかよ。

僕に向かって手なんか降って愛想ふりまいてるし・・・。


「なにしてんの?ベル・・・え?どうやってここまで来たの?」


「フローティングデバイスってのを使えばすぐだよ」


「ん〜また分かんないワードが出てきたよ・・ふろ〜ひんぐなんちゃらって?」


「お家に帰ったら説明してあげる」


「おまえら、知り合いか?・・・派出所の前でイチャつくのはやめろ!!」


五十嵐巡査は吐き捨てるように言った。


「私のせいでワタル、遅刻しちゃったんです」

「それを分かっていただこうと思いまして・・・」


「等々力が悪かろうが、あんたが悪かろうが遅刻したことには違いないからな」

「遅刻した原因?理由なんてどうでもいいの」


「そんなことはありません・・・間違いや勘違いはちゃんと正さないと・・・

ワタルのおまわりさんとしての今後の出世に関わります」

私のせいでワタルの人生に汚点を残すようなことがあったら私、一生後悔します」


「大袈裟なネエちゃんだな・・・等々力・・・おまえの彼女か?」


「い、いえいや違います」


「そうです、私、ワタルの彼女です」


「え〜?・・・」


「ほら、彼女って言ってんじゃないかよ・・・等々力〜」

「まあ、なんでもいいわ、一旦家に帰っていいから、この子邪魔だから連れて帰れ」


「すいません・・・ご迷惑かけます」


ってことで僕はベルを連れてまた家に帰ることにした。


「ベル、さっきの彼女ってなに?」


「売り言葉に買い言葉・・・それに遅かれ早かれ私たちカップルになるでしょ?」


「そんな勝手な・・・」


「嫌なの?・・・私じゃ嫌なの?」


「いやいや、とんでもない・・・いきなりだったから・・・」

「その話は置いといてさっきの、ふろ〜ひんぐなんちゃらってなに?」


で、彼女が言ったフローティングデバイスとやらの正体が分かった。


ベルはポシェットから、ビー玉みたいな物を取り出すと空中の放った。

そしたらビー玉みたいな物は一気に大きくなってシャボン玉のデカいバージョンになった。

彼女はその中にスッポリ入るとシャボン玉は宙を動き始めた。

で、僕のチャリに合わせて飛び始めた。


つづく。

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