第6話
そしてそんな結依と初めて寝たのが中一の頃だった。
夏休みの宿題を結依の部屋で一緒にやっていたとき、たまたま観ていた映画がまずかった。
外のむせ返るような暑さとは裏腹に、画面の中の映像は次第に涼しげな夜へと代わり、寝室らしき部屋には艶めかしい暗闇が下りた。
その妖しげな雰囲気は音としてイタイケな中学生の聴覚を侵し、集中力を奪う。
まるでイケないことをしているような感覚に、気づけばあたしたちのあいだに会話は一切なかった。
頑なに唇を結び、ペンを握る手には汗が滲む。
外から聞こえてくるセミの鳴き声だけが静けさをつんざく。
そこからはなし崩しに崩れていった。
[試してみよっか?]
結依の声に甘く誘われる。
もしかしたら暑さのせいで頭がおかしくなってたのかもしれない。
それでも結依の背中に腕を絡めれば、行為はほんの少しの痛みを残して滞りなく済んだ。
お互い初めてだった。
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