第15話

「もうすぐテストなんでしょ?」


「そうなんすよー。バイトも早く上がんなきゃなんねーし、マジ勘弁って感じなんすけど、小春さんにも迷惑かけちゃってますよね?シフトとか代わってもらっちゃってスンマセン」


「いいっていいって」




学生にテストは付き物だ。


そんなのは高校生だった自分が一番よく分かっている。


申し訳なさそうに手を合わせてくる松木君を笑顔で宥めると、松木くんはもう一度「マジで助かるっす!」そう言って、頭を下げた。


そしてバックルームへ戻ろうとする松木君を「あ」と呼び止める。




「どうしたんすか?」


「穂波ちゃん、まだバックルームに残ってたよ」


「…っ!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る