第14話

夜のコンビニに、昼間のような活気はない。


それが住宅地の中に建っているとあれば、なおさらだ。客のほとんどはふらっと立ち寄り、適当に暇を潰して帰っていく。


フロアに立つ前にタイムカードを押したあたしは、その日入っていたスタッフ全員に声をかけてからレジに入った。


元々レジに入っていた子に交代を告げるためだ。




「松木君、そろそろ上がっていいって。マネージャーが」


「お、ラッキー」




隣に並んでマネージャーからの伝言を告げると、ニカッと笑った彼は白い八重歯を覗かせた。


身長は見上げるほど高いが、彼もあたしより一つ年下の高校生だ。


ツンツンと立ち上がった髪はシルバーアッシュに染められ(年配のお客さんには白髪か!?とビックリされていた)毛先はパサパサとごわついている。

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