第13話
「でも、変わってますよねぇ。買うのがプリンとサラダだけって、乙女かっつうの」
「まぁでも、そこは客の自由だし」
「そうなんですけどぉー!でも毎日ですよ?毎日プリンとサラダだけって飽きません?あの人、ちゃんと栄養足りてんのかな…」
「んー…どうかな」
バカにしてんだか心配してんだか分からない穂波ちゃんに内心溜息を吐く。別に穂波ちゃんが嫌いなわけではない。出勤時間が迫っていたのと、彼女のようにキャッキャッとはしゃぐのが苦手なのだ。
疲れるというか、これでは高校を辞めた意味が無くなってしまう気がした。あの頃の自分は人の話に合わせるのに必死で、どうでもいい話にまで全力で同調を示してきた。
かといって、それらが中退した理由になるのかは曖昧なのだけど。
「じゃあ、そろそろ行くね」
あたしはロッカーの扉をパタンと閉めた。
穂波ちゃんが"例の客"にご執心なのは、誰が見ても明らかだった。
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