第6話

「お前、料理の才能ないよ」


「それは言わないで下さい」




あたしもお米を掬うが見事に油っこい。


頭ではパラパラになるはずだったのに、油でコーティングされた米はピカピカとテカり、リゾット並みに柔らかく仕上がっている。




「あー…でも、無理して食べなくてもいいですよ?」




さすがに身体に悪いような気がして猫さんを見れば、猫さんはあたしを一瞥しただけで、炒飯を掬う手を止めようとはしなかった。



そしてテカテカの炒飯を口元へ運びながら、


「作り直すのも面倒くさいからこれでいい」


結局は手をつけてくれるのだ。

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