第5話
「せっかくの日曜だってのに…」
「でも先週は何もせずに終わっちまったー!って、思いきり後悔してたじゃないですか」
「んなの覚えてねぇよ」
すかさず飛んでくる舌打ち。
ちなみに猫さんは"言葉を話す"ようなビックリ猫なんかじゃない。
肩ほどまである金糸に青い双眸は日本人離れしているが、でもふわりとアクビを漏らす猫さんは立派に二足歩行をする人間なのだ。
「つーか、昼飯なに?」
「今日は猫さんの好きなチャーハンと卵スープにしてみました」
「なんか先週もチャーハンと卵スープだった気がするんだけど」
「でしたっけ?」
「あと俺、そこまでチャーハン好きじゃないから」
そう言いながらも、猫さんがダイニングテーブルについたのを見計らってアイスティーをそそぐ。
彼は"いただきます"も言わずにスプーンを握ると、ごはんの山を乱暴に崩しにかかった。
パラパラしているはずのお米がねっとりとスプーンに絡む。
「うわ、しかも油っこい」
ナイスです猫さん。あたしもスプーンを差したときの感触に同じことを思っちゃいました。
ついでにふわふわなるはずだった卵は、ボロボロと底に沈んで可哀想なことになってます。
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