第4話

「猫さん猫さん、そろそろ昼ごはんですよー」




長めの金糸に青い目を持った猫。


あたしがフライ返しを片手にソファを覗き込むと、アームに頭を乗せて横になっていた猫さんは「なんでお前がいんの?」と、鬱陶しそうに身じろいだ。


無造作に散らばった金糸がパラパラと落ち、重たく伏せられていた瞳にあたしを映る。



あたしは腰に手を当てて、大袈裟にタメ息を吐いた。


空に昇った太陽はもう高い。




「だって猫さん、ご飯用意しないと面倒くさがって何も食べようとしないじゃないですか」


「腹が減ったら食うっつうの」




ガリガリと金糸を掻いて猫さんが起き上がる。


まっ白なロンTにライトグレーのスウェット。首元に浮かび上がる鎖骨は白く、タイトな服装から分かる体型は細いというより薄い。


だけど身長は180センチくらいあるため、猫さんが立ち上がるとあたしは少しだけ首が痛くなる。

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