第17話
改札口を出ると、雲の切れ間には澄んだ青空が見えた。
逃げるように飛び出してきた手前、もっと人がいない場所に行くのかと思えば、駅の外には意外にも高層ビルが立ち並んでいた。
駅前には遠方からやって来た人を迎え入れるためのホテルなんかも多く、ファッションビルを中心としたメインストリートにも少しずつ人が溢れ始めている。
朝の清々しい空気に触れたのは一瞬で。夏の訪れにはまだ早いが、建物に反射した日射しが初夏の匂いを感じさせた。
「朱里、こっち」
動き始めた日常を尻目に連れて来られた場所は、街から少しだけ外れたところに建っているマンションだった。
ビルとビルの合間にそびえ、レンガ造りの外観を青々とした植木が囲う。エントランスへ続くアプローチにも丸い球体状のガーデンライトが暖かみのある光を灯しており、建物一体がモダンでお洒落な雰囲気をかもし出していた。
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