第7話
当初の計画では二人でやるつもりだった。
何度も話し合った末の計画だった。
兄は最後まであたしが加わることに反対したが、でもあたしの意思が変わらないってことが分かると、渋々計画に加わることを許してくれた。その意思は父を前にしても変わらない。
それに、だ
兄ひとりに、罪を背負わせるわけにはいかない。
「…やっぱりダメ。あたしもやる。あたしがやらなきゃ、意味がないもの」
「朱里…」
「大丈夫。覚悟なら決まってる」
兄の目をまっすぐに見つめる。兄はまだ何か言いたそうな顔をしていたが、やがて諦めたように息を吐いた。
「ガムテープ持ってきて」
踵を返した兄が静かにリビングを出ていく。
だからあたしもキッチンの隅にあらかじめ用意してあったガムテープを手にし、兄の後を追った。
父の身体は、着々と死へと近づいている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます