第5話 見損なった
翌朝、カズオが「あれ?居ない」と思っていて、ベッドの中や台所を見ても誰も居なかった。
テーブルの上に紙が1枚置かれて居た。
紙には「スズより。今からちょっと出掛けて来ます。帰りが遅くなると思います」と手紙には書いてあった。
そこには何もなく、洋服も散らかり放題で、化粧品とバックは何も無かった。
カズオは「スズは、何処へ行ったんだろう?」と探偵の様に音を立てずにスズの後を追いかけた。
スズは、タツナリに「待った?今さ、私、他の人でカズオって一緒に家で住んでるんだけど、私、飽きて来ちゃったんだよね?」と笑ってタツナリと楽しそうに横を歩く姿を見かけた。
カズオが「何で?スズが何で他の男と一緒に居るんだ」と思って居ると、ネットでスズと検索をかけると浮気、何股、貢がせると言う文字が三つも並んでいた。
携帯を閉じると、しばらくしてスズから「今、仕事がうまく行ってないから、お金30000円貸して?」と言うメッセージが届いて居た。
カズオは「嫌だ。そんな事を言って金目当てなんだろう?」とスズを疑いメッセージを送った。
そこにスズが「残念ね?私の事も信じてくれないの?もう、私達別れましょう」とメッセージを最後にスズから何も連絡は無かった。
女性だからって立場を利用して、男性に貢いでもらうと思って居る奴がいるのかと少々胸が苦しくなった。
その時、急に妹のメイから「お兄ちゃん、スズさんとは最近どうですか?」とメッセージが届いた。
カズオが「てんでダメだよ。どうにもこうにも女性を信じられなくなって、恋愛って何だろうってなっちゃったよ」とメイにメッセージを返した。
メイが「そうなんだ?色々あったんだね?あまりこん詰めないでね」とカズオにメッセージを返した。
カズオが「メイ。ありがとう。やっぱり最後に頼りになるのは妹だな」と嬉しそうにして居た。
カズオはスズと住んでいたアパートを引き払い、一段落して仕事を終わらして実家に帰って来た。
そのアパートを引き払ったお金で、またカズオは家族の元に帰って来るとミツヨが「あら?久しぶりね?スズさんとはどうなったの?」と尋ねて来た。
カズオは「申し訳ない。あの後、スズの本当の姿を知って、スズは、何股、浮気、貢がせるって書いてあって騙されて居たんだ」とはっきりとミツヨやメイの前でスズの事を話した。
ミツヨが「スズってそんな女だったの?でも、騙されずに帰って来られて良かったわね?」とカズオに声を掛けた。
メイも「そうね?お兄ちゃんが無事でよかったわ」と話し掛けた。
カズオが「でも、家に戻って安心したよ。皆が元気そうで良かった」とメイ達に話をした。
メイも「お兄ちゃんも元気そうで良かった」と笑顔でカズオの返事に答えた。
ミツヨが「じゃ、久々に皆でラーメンでも食べに行かない?」と声を掛けて嬉野ラーメン屋さんに食べに行って写真を撮って食べたりして昔の思い出に浸って居た。
久々にシホにも会い、スズの事を話すと「大変だったんだね」と言う言葉が出て来て凄く涙がまた出て来てしまった。
シホが「まぁ、また良い出会いがあるよ」と笑顔で励ましてくれたことが何よりも嬉しかった。
そんなカズオは、シホのことが気になってはいたが、中々言葉にできないでいた。
昔の公園で、久々に会う約束をしてシホとカズオは懐かしく感じて居た。
そんな2人を見て他の人から「カップルですか?」と聞かれる事があった。
でも、お互いがお互いを信じて、付き合うのにも時間はかからなかった。
そして2人は目と目を見つめ合いキスをしてその日は笑顔で帰って行った。
20年後、2人は結婚をして、末長く幸せに暮らした。
君の描く空は 影山 みはつ @mihatsu1865
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