第5話
須藤香澄とはクラス替えをキッカケに知り合った。
たまたま席が隣同士で、まだ慣れない様子の彼女に俺から声をかけたのが始まりだった。
いきなり話しかけたから驚いたのだろう。
もしかしたら人見知りするタイプなのかもしれない。
一瞬、彼女は警戒したように俺を見つめたけど、でも俺はそんなのは気にしないといった様子でニッコリと笑いかけた。
自分が誰とでも仲良くなれる側の人間だということは十分理解していたし、無邪気に笑えば、大抵の人間が心を許してくれるのも知っていた。
別に猫を被っているわけでも自惚れているつもりもないが、でも円滑な人間関係を築くにはコレが一番だと思っている。
案の定、小さな声で"よろしく"と笑った香澄とは、顔を合わせれば挨拶をする程度には仲良くなっていた。
しかし、それを"最初"の出会いだと思っているのは彼女だけだ。
俺は一年も前から彼女の存在を知り、ずっとずっと恋い焦がれていたのだから。
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