2

火鉢で焼けた顔の娘を。


「ヨッちゃん!」


嫁に貰うと言った後。


「ゴメンね?私……お嫁になれないの」


物好きだと周りは咎めた。


「私、お見合いする事になって……」


それでも花婿は諦めきれなくて。


「もしかしたら、遠くへ嫁ぐ事になると思う」


どんな手を使ってでも……。


「だから、ヨッチャン」


花嫁を自分のモノにしたかったのです。


「今まで有難うね……?」


パチパチと燃えた火の横に、真っ赤に染まる火鉢を見つけた。

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